宇宙と地球の境界線はどこ?

Vol. 663
 宇宙と地球の境界線はどこ?

空を飛んでいる飛行機は、宇宙を飛んでいるとはいえないのは誰でも思うだろう。ならばどのくらい高いところを飛べば宇宙を飛んでいると呼べるのだろうか。

一般に考えられる宇宙の特徴の1つに、空気が存在しない領域という点が挙げられる。では空とは何であるかというと、地球の表面を覆っている空気(大気)の層が該当する。ならば大気の層がなくなったところが宇宙との境界ということになる。

しかし、ある高度から急に空気がなくなるのではない。高度が高くなるに従って空気はだんだんと薄くなり、やがて空気がなくなるという状態なので、どこを宇宙にするかという境界は明確に存在しないのだ。

普段の生活で困ることはないが、宇宙航空の分野では定義がないと困るということで、カーマン線(カルマン線)という境界が国際航空連盟によって採用された。カーマン線は地上から(海抜)100kmを境界線とする案で、100kmから先を宇宙と定めた。ただし、学術上の大気圏は、カーマン線よりもはるかに高い位置まで存在し、やはり宇宙との境界はない。