競馬が好きな人なら常識的に知っているが、ブリンカーという馬具がある。このブリンカーは目に付けるもので、人間が付けるとしたら、ダイビング用の水中メガネのように前に突き出た形でガラスはなく、前面以外は黒くなっているというイメージを持つと良い。
なぜこのような道具を付けるかというと、馬の視界があまりにも広すぎて、レースの最中に後ろを気にして集中しないためである。その視野は350度と、真後ろ以外は全て見ることができる。
ウマは草食動物なので、生態系の中では捕食される側だ。草食動物は外敵から身を守るため、目が顔の両側に離れて付いており、いち早く危険を察知できるようになっている。目が両側にあることで、両目は主に異なる風景を見ることになる。目が前に付いていて、両目のズレで遠近を感じる人間にとっては便利なのか不便なのかよくわからない。