今や世界最強とまで言われている耐性を持つ、クマムシという虫を聞いたことはあるだろうか?
体調が1ミリにも満たないクマムシだが、マイナス273℃からプラス150℃まで耐え、電子レンジでも放射線でも高圧下でも死なないという、常識的に考える他の生物に比べて、はるかに高い耐性だ。
その秘密は、乾燥を足掛かりに始まる。乾燥してクリプトビオシスと呼ばれる活動停止状態になると、クマムシは途端に強くなる。逆にクリプトビオシスにならなければ、例えば熱であっけなく死んでしまうように、無条件に強いわけではない。
要するにクマムシも不死身ではないということだが、一旦乾燥すると非常に強いのは間違いない。活動状態に戻るためには水を与えるだけなので、少なくとも水がある場所なら、クマムシは生息できるのだ。