厄払いの意味を持っている清めの塩は仏教とは無関係

Vol. 4
 厄払いの意味を持っている清めの塩は仏教とは無関係

不幸にも人が無くなったときに葬儀に出ると、会葬礼状に清めの塩が添えられていたり、帰宅時の玄関で塩を撒いて体に浴びるという習慣がある。来客で嫌なことがあると、客が帰った後に塩を撒いて浄化するかのような行動も行われる。地域によってまちまちな習慣ではあるが、災いや不幸のあった場へ出向いて穢れてしまった人を、塩の持つ殺菌効果に乗じて清めるという、厄払いのような意味合いを持っているのは間違いない。

しかし、清めの塩と日本で最も多く行われている仏式の葬儀とは何の関係もなく、清めの塩を使うのは神道においての話だけだ。よって、ほとんどの葬儀の場合、間違った用法で清めの塩を使っていることになるのだが、習慣化してしまったので当分は変わらないだろう。