節分に豆まきをする理由

Vol. 5
 節分に豆まきをする理由

節分というのは、立春の前の日に豆をまく風習だけが取り上げられるが、何も節分は立春だけに限った事ではない。立春、立夏、立秋、立冬の4つの節についてそれぞれ節分があるにもかかわらず、一般に節分とは「豆まきの日」と考えられている。

節分になぜ豆をまくかというのは、邪気を祓うための一種の道具として、魔目(まめ)に通じる豆を鬼(邪気)の目にぶつけ、追い払うためという説が有力で、同じように鬼の目にささって鬼を追い払うと言われる柊の小枝を飾る風習にも通じている。

豆まきに使う豆は、炒った大豆が通常だが、家庭内では豆の後始末をしなくてはならない。そして豆が食べ物であるという理由で、ゴミと同じように扱うことに抵抗があることから、本来の意味での豆まきは形骸化され、地域によっては豆の代用品をまく習慣がみられる。

例えば、大豆の代わりに殻に包まれた落花生を使ったり、更に変化すると豆の入ったお菓子を使ったり、おもしろいところでは包装紙に包まれたお菓子(チョコレートなど)をまいたりする。こうなると喜ぶのは子供で、そのような地域では、節分は頼まなくてもお菓子が食べられる日として、子供に歓迎されるのである。