夜、猫の目がギラリと光る理由

Vol. 10
 夜、猫の目がギラリと光る理由

まるでビー玉のように見えるネコの目は、夜道を歩いていてふと出くわすと、暗い所で不気味に光ることがあるのは体験したことがあるだろう。もともと夜行性であるネコの目は、暗い所でも良く見えるような機能を持っている。

本来ネコの視力は人間よりかなり悪く、色の判別もそれほど付かないとされている。夜行性の動物において、光の少ない暗闇で色を明確に判別する必要は無いからだという推測はもっともだ。ネコの目が暗闇で光る理由はその構造にある。

人間のように網膜を持っているのはネコも同じで、物体が反射する光が目を通して網膜に届き、それを知覚することで判別する。ネコが人間と違うのは、タペータムと呼ばれる反射板で受けた光をもう一度網膜で知覚し、暗くても判別がしやすい構造になっている点だ。人間から見てネコの目が光るのは、タペータムによる反射の光を見ているというわけである。

暗視カメラのようなネコの目だが、たとえネコでも全く光が無い、真の暗闇においては目が見えない。さすがに万能ではないということだ。