Vol. 19
古くなったお札はリサイクルされているの?
日常的にお札を扱う銀行員ではなくても、毎日の買い物や預金を下ろすときなどにお札を見て、ボロボロのお札というのはあまりない。昭和の時代はシワシワになってくたびれたお札が見られたこともあったが、新札の発行などを契機にそういったお札は少なくなり、比較的きれいなお札が多くなった。
お札というのは古くなったからといって、当然ながらそのまま燃えるゴミというわけにはいかない。従って長くても4年から5年ほど経つと、日本銀行において裁断され、償却または溶解によって処分される。溶解されてから水分を取り除くといわゆる再生紙としても利用できるが、長年流通したお札は汚れており、基本的に再生には適さない。
ならば、裁断された細かいお札の使い道が他にないのかと考えてみると、復元不可能なお札というのは、もはやただの紙くずでしかなく、意外と利用用途は少ないと感じるだろう。それでも、例えば宅急便で送られてきた荷物の緩衝材として入っている細長い紙くずに、お札の図柄が印刷されていたら、それは焦る以外の何物でもない。