アシカとアザラシはどちらも水族館では定番の海獣だが、姿を見てもどこが違うのか良くわからない。何となく小型はアシカ、大型はアザラシというように区別している人も多いだろう。姿が似ているように、元は共通の祖先を持っていたと現在では考えられているが、アシカとアザラシには異なる点が多い。
水族館でショーを行うのは大抵アシカである。そんなことをいうとアザラシに怒られそうだが、アザラシの場合には体の構造上、アシカよりも可能が芸が限られてしまうからだ。その理由は、アシカが前肢を使って上体を起こせることに起因する。アザラシの場合には前肢が発達しておらず、形容するなら芋虫のようにして這うように前に進む。このことから、狭い台に乗って上体をそらし、鼻にボールを乗せるような芸当はアシカにしかできない。
また、泳ぐ際にも両者の違いは現れる。アシカの場合、発達した前肢を使って泳ぐが、アザラシの場合は後肢を使って泳ぐ。水中から飛び出してジャンプする芸については、アザラシであっても可能だ。