茶柱が立つと何故縁起がいいのか?

Vol. 34
 茶柱が立つと何故縁起がいいのか?

滅多に見られないだけに縁起が良いとされる茶柱は、もともと茎の部分が混入しているお茶でなくてはならず、茶葉だけの高級なお茶では見ることができない。そして急須(きゅうす)の茶こしの部分が、以前の陶器から金網にとって変わり、目が細かくなったので茶茎が通り抜けられなくなったのも希少価値を高めている。

茶柱と縁起の関係については諸説あり、神事として柱を祀るくらいだから、吉事として扱ったことが理由だとする説や、茶の商人が、茎の混入した質の落ちるお茶が売れずに、売るための方便として茶柱と縁起についてこじつけたという説などがある。

原理的には一部分に空気を含む茶茎があると、空気を含む側が浮いて茶柱が立つというだけだが、そのような茶茎が混入している希少さを吉として扱ったということだ。つまり今でいうところでは、スナック菓子に意図的に希少な形を混入させて、形の違うものが入っているとラッキーとするのと相違はない。

さて、この茶柱だが、現代の技術では茶柱が立つように加工することができるらしく、「立つ茶柱」と粉末のお茶がセットで売られている。そこに縁起があるかどうかは考え方次第とはいえ、需要があるから成り立つのだろう。