「おもひでぽろぽろ」で採用されたプレスコとは

Vol. 36
 「おもひでぽろぽろ」で採用されたプレスコとは

おもひでぽろぽろという映画は、宮崎駿率いるスタジオジブリ(監督は高畑勲)が送り出した。その制作の過程では、声の収録を先に行い、後から作画するというプレスコという方法が採用されている。

プレスコというのは、プレスコアリングの意味で、日本で多くみられる短縮型の呼び名であり、同じ意味を持つプリレコ(プリレコーディング)は、作画してから声を重ねるアフレコ(アフターレコーディング)の対義語である。

プレスコの利点は、アフレコで見られるセリフの長さと、口の動きの長さが一致しない違和感を払拭できるところにある。発声がある間は作画で口を動かせば良いので、セリフに自由度が生まれ演技性を高く保つことが可能だ。ただし、熟練の声優は、アフレコであっても口の動きと一緒にセリフを発声できる技術を持っている。

プレスコを使って作られるアニメは他にも多くあり、アフレコと比べてどちらが良いということではないが、尺(時間)という絶対的な制約が守りやすい、アフレコの方が日本のアニメ製作では採用されやすい。