地球が反時計回り(東向き)に自転しているのは、太陽が東から昇ることから考えても常識的な話だが、地球上の表面を覆っている大気は自転によって大きな影響を受ける。その1つが中緯度において西から東に吹く偏西風で、中緯度にある日本の天気は、当然ながら偏西風の影響を受ける。
その典型的な例が台風で、台風は日本よりはるか南の地域で発生するが、最初は貿易風の影響を受けて東から西へと進路を取る。徐々に北上した台風は、やがて偏西風の影響で西から東へと進路を変え、まるで日本を狙いすましたかのように向かってきてしまうのだ。偏西風は恒常的に吹いている風なので、影響を受けるのは台風だけではなく、晴れでも雨でも曇りでも、日本の天気は常に西から東へと変わっていくのである。
テレビで日本列島の図を使って各地の天気を説明するときに、決まって西から始まるのは、西から説明したほうが天気の移り変わりが説明しやすく、視聴者も自分の住んでいる地域の今後の天気を予測しやすいからだ。