Vol. 78
箒星(ほうきぼし)と呼ばれる彗星はどこからやってくる?
別名「箒(ほうき)星」とも呼ばれる彗星は、いわゆる流れ星とは異なり、氷や塵からなる小天体として位置付けられている。その彗星がどこからくるのかという問いについては、推測ながら2つ考えられている。
1つは、海王星の更に外側にあるとされる「エッジワース・カイパーベルト」という領域で、彗星の中でも周期が200年未満のもの(短周期彗星という)は、そこからやってくるとされている。もう1つは、エッジワース・カイパーベルトの更に外側にあるとされる「オールトの雲」と呼ばれる領域で、オールトの雲は太陽系を取り巻く球状の天体群であり、そこから周期が200年以上のもの(長周期彗星という)がやってくるとされている。
これらの彗星は、例えば引力のような力によって太陽系に向かう軌道に変化すると、中には周期性を持って、短ければ3年程度で周回(公転)するものもある。太陽に近づくと氷が蒸発し、ガスや塵で彗星の表面は形成されるが、太陽風を受けることで、まるで尾のように伸びて見られるのが「ほうき」というわけだ。