子供が大人より神経衰弱が強い理由

Vol. 108
 子供が大人より神経衰弱が強い理由

どう考えても知識や経験としては断然に上位であるはずの大人が、神経衰弱になると幼い子供に苦戦してしまうことがあって、どうやらそれには理由があるらしい。人間の記憶には短期記憶と長期記憶があり、短期記憶については子供のほうが優れている可能性があるためだ。

大人の場合、日々溢れかえる情報を取捨選択し、必要な情報を記憶したり、情報同士を結び付けて覚えたりと、常に許容量をオーバーしていると思われる情報を整理しながら生きていく。情報は長期記憶になり、それが経験値として役に立っていく。

ところが、神経衰弱のような短期記憶を使うゲームでも、大人というのは覚えるために余計な情報を付加する癖がある。ここの隣はあれで、それの隣はこれで…と頭の中で何度も唱えながら、短期記憶が消えないようにしているのだ。しかしそれは逆に連鎖している情報の1つが途切れたときに、他を失いかねない危険性を持っている。

子供の場合には、めくられたカードと全体の配置をイメージで覚えるという。余計な情報がない直感的な覚えかたで、それができるなら大人も苦労しないのである。