5月5日のこどもの日(端午の節句)に柏餅を食べる理由

Vol. 131
 5月5日のこどもの日(端午の節句)に柏餅を食べる理由

端午の節句(5月5日)と聞いて、何を思い浮かべるだろうか。こいのぼりや5月人形を思い浮かべる人、ちまきや柏餅といった食べ物を思い浮かべる人など様々だろう。

暦の節目である5節句は、基本的に祝うもので、上巳(3月3日、ひなまつり)、七夕(7月7日)に行われる行事も同様だ。5月5日の男の子の節句には、子供に願いを込めて決まった飾り物をしたり食べ物を食べたりする習慣がある。

近畿よりも西の地域では、柏餅ではなくちまきを食べることが多く、ちまきというのは中国から伝わった端午の節句本来の食べ物である。それに対し、柏餅というのは江戸時代の日本独自の文化を発祥としており、それが現在まで続いている形だ。

柏というのは木の種類の柏で、落葉樹のほとんどが秋から冬に葉を落とし、春に新芽が芽吹いてくるという性質を持つが、柏の場合には、春に新芽が出てくるまで葉が落ちないという珍しい木になっている。その様子を次世代が育つまで現世代が落ちない、つまり途切れのない家系に結びつけて、家を重んじる古来の考えからめでたいものとして採用されたのだ。