イカスミとタコスミの違い

Vol. 185
 イカスミとタコスミの違い

イカスミはパスタに代表されるように、食品の添加物として様々な製品で利用されている。クッキーなどのお菓子や麺類に練りこんだり、カレーにも使われている。そんなイカスミ人気を尻目に、タコスミのほうは至って利用頻度が少なく、実質的には使われていないにも等しい。

この扱いの違いにはいくつか理由があり、組成としてイカスミのほうがアミノ酸を多く含むという点が大きい。食べ物だけにアミノ酸は必須だからだ。それ以外にも、イカに対してタコというのは総じて体が大きく、その割にスミの量が少なく取り出しにくい。つまり、あえてタコスミを集めて使うには、コスト面で大きな不利がある。それだけではなく、決定的なのがタコスミには粘り気がないという点だ。この点は添加物としてのスミの利用にとって重大で、添加できる料理を選ぶということになる。

こうした理由からタコスミは使われないのだが、そもそもイカとタコでは漁獲量が桁違いでイカのほうが多い。少ないタコから更に少ないスミを取り出し、扱いづらくアミノ酸が少ないタコスミを使おうとは思わないのである。