一般に、細菌とウイルスの違いは、大きさと構造である。細菌の場合、1マイクロメートル(1ミリメートルの1000分の1)程度の大きさだが、ウイルスは細菌より更に10分の1程度の大きさしかない。ウイルスが小さいということは、技術の発展していない以前の医療では、発見することすら難しかっただろう。
決定的に違うのが構造で、細菌は細胞であるため、核があり細胞膜がありと、理科でならう細胞の構造とそれほど変わりがない。ところがウイルスは、細胞としての構造がなく、あるのはタンパク質の殻とDNAまたはRNAでしかない。細胞ではないので分裂もせず、従ってウイルスが単体で存在しても何の作用もないのである。
しかし、ウイルスの恐ろしいところは、他の細胞に入り込むと増殖するという点で、それが重篤な病気を引き起こす原因となっているのだ。