Vol. 227
なぜ?肘をぶつけると強烈な痺れを感じる理由
肘を強く打ちつけたとき、その痛みよりも強烈に一瞬しびれるので記憶に残っているだろう。これは、肘に尺骨神経という、腕の動きを制御する神経が肘を通っているからだ。
尺骨神経は、肘の内側のくぼみの部分を通っている。指で触ってコード状のものを感じたら、コリコリと刺激すれば小指と薬指側の半分くらい、また小指側の手のひらがピリッと痺れるのを感じることができる。場所がわからなければ、肘の骨付近で内側をトントンと指で叩いてみて、しびれを感じる場所を特定していくと少しはわかりやすい。
神経を直接刺激するなど、他の神経では考えられないように、尺骨神経は肘の骨の近くから腕の内側を通って小指側に伸びていく過程において、肘ではほとんど防御されていない。そのため、尺骨神経は外傷などによっても、圧迫や損傷しやすく障害が比較的でやすい神経である。遊び半分で刺激するような場所ではなく、尺骨神経に障害があると、しびれだけではなく、指が思うように動かせなくなったり、指の形が自然にカギ爪状になったりする症状がある。