ピラミッドの建設費は1500億円?

Vol. 313
 ピラミッドの建設費は1500億円?

建設大手の大林組が、昭和53年にクフ王のピラミッドを建築する仮定で試算を出している。クフ王のピラミッドはピラミッドの中でも最大で、当時20万人が30年という途方もない歳月を掛けて完成させた。それを大林組が造るとしたら、どのくらい掛かるかという興味深い試算である。

まずは材料の入手のために、石を切り出す作業が不可欠で、その個数は何と1日に6,000個。これだけでも204億円というお金が掛かるというのだから、スケールの大きさは桁違いだ。また、建築機械を導入しても労働者3,500人が必要で、労働者が住むための街も作らなければならない。その工事だけで140億円である。

そして、石の運搬と据付(積み上げ)という、ピラミッドの最も主要な構造を占める部分は、運搬が116億円、据付が147億円とこれまた巨額になっている。忘れてはならないのは建築機械の輸送で、185億円という金額は、石の切り出しに次ぐ金額だ。

その他、基礎工事や斜路の構築、人件費など、全て合わせると総額1,500億円、工期は5年掛かる。何千年も前の20万人で30年というのは、やはりものすごい規模だと言わざるを得ない。