Vol. 345
狛犬の起源は古代エジプト文明やメソポタミア文明
神社に行くと、鳥居と狛犬はセットのようなもので、対になって置かれている狛犬は守り神のようであり、イヌともライオンとも思える不思議なデザインをしている。狛犬は神社に多いが、別に神社に限ったものではなく、寺にも狛犬が存在する場合がある。
狛犬の起源になったのは、古代エジプト文明やメソポタミア文明のライオンの崇拝といわれている。ライオンのことを獅子と呼ぶが、獅子は権威の象徴で、発掘された遺跡でも獅子が使われた者は多い。エジプトのように獅子の体と人間の頭を持つスフィンクスは典型だろう。
その思想は、やがてインドへ伝わる。インドライオンという種がいるように、インドにもライオンは棲息していた。獅子はやがて仏像と共に配置されるようになり、インドから中国へ、そして日本へと獅子は形を変えて伝わっていく。
日本へは中国が唐の時代に伝わったとされ、その後の日本では口をあけた獅子と、口を閉じて角を持つ狛犬が対になって登場する。時代を経るに従って獅子と狛犬は区別が無くなっていき、呼び方も狛犬で統一されていったことから、現在のような姿になったと考えられている。