運転席が左側にある電車と右側にある電車

Vol. 389
 運転席が左側にある電車と右側にある電車

左側通行の日本では、車や自転車は左側、列車や電車も複線なら左側を通る。一貫しているようでも、運転席でみると国産車は運転席が右側なのに対して、列車や電車は基本的に運転席も左側である。

電車が左側の運転席なのは理由があって、日本の鉄道はイギリスから入ってきているので、イギリスが左側だったことがそのまま残っている。イギリスで鉄道が使われるようになる前は馬車が移動手段で、馬車の操者は馬が道路脇の側溝に落ちないように操るとき、利き手の右手で操るほうが都合が良いために運転席が左側になったとされる。蒸気機関車に変わったとき、機構上でも蒸気機関がじゃまで左側のほうが視界を妨げないという理由があったらしい。

日本には右側に運転席がある電車も運航しているが、右側に運転席がある電車は、停車駅に島式ホームを採用している。島式ホームというのはホームの両側に往復の電車が停車する方式だ。この場合、向かい合って走る電車はどちらも右側のドアを開けて客を乗降させる。従って運転席から客の乗り降りが見えやすいのは右側になるのだ。