孫の手の名前の由来

Vol. 405
 孫の手の名前の由来

最近あまり見かけないが、背中を掻くために手の形をした細い棒状の道具、いわゆる孫の手というものがある。手の形をした反対側には肩叩きができるように丸いゴム状になっているものもあって、いかにも自分では掻けない背中を、孫に掻いてもらうように使うことから孫の手という名称だと思いきや、実はそういった由来ではない。

孫の手の孫とは、中国の麻姑という長い爪を持った仙女に由来する。麻姑の読みは「まこ」であるが、麻姑の爪を模した麻姑の手が、いつの日か孫の手と呼ばれるように変わっていった。孫のほうが直感的であり、体が硬くなった老人の背中を掻く道具としては響きが良いのでそうなったと考えられている。

孫の手は世界中に存在し、背中を自分で掻けないのは世界共通の悩みであることが良くわかる。