書いた文字が消えるボールペンの仕組み

Vol. 408
 書いた文字が消えるボールペンの仕組み

消せるボールペンのインクは、温度によって透明になるように調整されている。製品には消しゴムのようなラバーが付いているが、これは摩擦熱を発生させるためで、従来の意味における消しゴムではない。

一度消した文字は、紙から消え去っているのではなく、紙にインクが付着したまま発色が失われている点には注意が必要だ。色を戻すための温度はマイナス10度からマイナス20度で、家庭用冷蔵庫の冷凍室で戻せる温度である。

消せるボールペンは革命的な発明だったが、同時に文書偽造の容易化という懸念点を残した。役所への提出書類では、消せるボールペンを使わないように記載例で注意書きがある。それなのに、役所にいる人間が消えるボールペンを使って書類を作成していたことが発覚するなど、便利になった代わりに問題も起きている。