お正月にお餅を食べる理由

Vol. 412
 お正月にお餅を食べる理由

1年でも特別なお祝いである正月には、普段見られないたくさんの御馳走を目にするが、正月に餅が欠かせない人は多いだろう。この飽食の時代にあっても、不思議と餅は正月しか食べないという人がいるくらいで、正月をイメージする代表的な食べ物である。

餅というのは、古くは稲作信仰から神に供える特別な物として存在していた。正月を迎えるときには、神様に餅だけでなく様々な穀物を供え、豊作、長寿、健康などを祈ったとされる。そして神様への供え物を食することで神様の力をもらうという考え方から、雑煮を作って食べる文化が生まれる。

このような習慣が時代と共に信仰心も薄れ、餅は神様への供物ではなくても正月の象徴となり、同じく雑煮も供物で作るわけではなく、1つの正月料理として確立されていった。