お餅を焼くと大きく膨らむのはなぜ?

Vol. 429
 お餅を焼くと大きく膨らむのはなぜ?

丸や四角など、どのような形のお餅であっても、焼くとぷっくりと膨らんでくる。逆に膨らまないお餅は、食味が変わらなくても何となく味気ないものだ。最近はスーパーで簡単に切り餅が手に入ることから、正月の代名詞であった自宅でお餅をつくという習慣が薄れてしまっている。

お餅があのように膨らむ理由は、大人なら簡単に想像が付くだろう。犯人はお餅の中の空気と水分で、膨張によって膨らむのだ。お餅の中の水分は、加熱されることで水蒸気に変わり、空気も膨張するので、中に風船を持っているかのように膨らむ。そして膨らむ理由には、もち米の持つデンプン質の特性が大きい。

もち米とうるち米(ご飯として食べるお米)のデンプン質は若干異なり、うるち米にはもち米に含まれるアミロペクチンというデンプン質だけではなく、アミロースというデンプンも持っている。このアミロースが入っているうるち米は、粘り気がもち米より少ないことから、うるち米で作っても思うように膨らまないのである。