Vol. 430
台風の目とは?台風の目ができる仕組み
天気予報で気象衛星が撮影した天気図を時系列で見ていると、台風が日本の南のほうから近づいてきてだんだんと大きくなり、台風の目と呼ばれるぽっかりと中心に穴が開いた状態を見ることができる。この台風の目はどうしてできるのだろうか。
実は台風の目は最初からあるわけではない。南の海上では常に「台風の元」ともいえる積乱雲が生成と消滅を繰り返す。しかし積乱雲が集まってまとまると、中心部分では空気が上昇気流によって冷やされて更に積乱雲を形成し、地球の自転の影響もあり渦を巻いて次第に大きくなる。
大きくなるにつれ、カーブを曲がりきれない車のように、雲の渦は遠心力に負けて中心から離れていく。この段階では、回転する雲の壁に遮られて中心部に湿った風が入り込むことができず、台風の目と呼ばれる空間ができてしまうのだ。
要するに台風の目というのは低気圧が成長した証で、台風の目を持つほどに大きくなると、通過圏内には甚大な被害をもたらしていく。