昆虫は非常に多くの種類があって、学者でなければそれぞれの区別を付けることは難しいが、自らが武器を持って生きることで外敵から身を守る種類もいる。例えば、毒を持つ虫の代表はハチで、人間はもちろんのこと、昆虫を主食にする鳥にすらハチは敬遠されがちだ。しかし、ハチではないのにハチのような姿の昆虫はたくさんみられる。
ハチに良く似た昆虫で、ガの一種にスカシバガという種類がある。スカシバガのスカシとは透かし、バは羽を意味して、スカシバとは透明な羽のことだ。ガの羽が透明になると、とてもガには見えず、スカシバガの仲間は実にハチに良く似ている。
ハチマガイスカシバという種類に至っては、名前に「ハチマガイ(蜂紛い)」と付いているだけに、一見してハチだと思わない人のほうが少ないくらい、見事にハチに化けて今日も生きている。そっくりなのにも理由があるというわけだ。