なぜ白骨死体から死亡推定年齢をわりだせるの?

Vol. 553
 なぜ白骨死体から死亡推定年齢をわりだせるの?

法医学の世界や考古学の世界では、人骨から年齢を推定しなくてはならないことが多く、犯罪捜査や学術的な研究において、白骨死体からできるだけ多くの情報を得たいのは当然だ。しかし、骨がどれだけの情報を持っているかというと、残念ながら全てを知るに足りる情報を得られないことが多い。

死亡推定年齢は若い人と年老いた人なら比較的わかりやすい。例えば、骨の中でも歯は幼年期において大きな特徴を残す。子供は歯が抜け変わるという特性から、乳歯の状況を見ればある程度の年齢推測が可能だ。また、骨の成長は20歳を迎える頃までには完了するため、骨の先端にある成長する部分を見ると、成人であるかどうかは判定可能になる。そして、老人になると骨の組成が弱くなることから、こちらもある程度の推測はできる。

他にも恥骨や頭蓋骨によってある程度の推測は可能だが、成人の場合はどうしても骨が完成してから老化現象が出るまでの間を正確に判断できないという側面を持ち、あいまいな推定になるのを否めない。