タラバガニはヤドカリの仲間なのだ

Vol. 552
 タラバガニはヤドカリの仲間なのだ

甲羅も含めた全体でタラバガニを見ると、足の数が左右1本ずつ少ない。カニの足は10本なのに対してタラバガニは8本で、これはタラバガニがヤドカリの仲間であり、カニという名前が付いているだけで正確にはカニではないことを表す。

タラバガニを買うときに気を付けたいのは、アブラガニという同じくヤドカリの仲間を、タラバガニと称して販売している業者がたくさんあることだ。カニを取り扱う水産関係者なら誰でも知っているが、観光客は一般にアブラガニとタラバガニの区別が付かない。だが、価値が全く違うので偽物を売りつけて利益を出す行為が当たり前に行われている。

タラバガニとアブラガニは、甲羅中央の突起数や、生でも茹でても足の半分から先のほうの色で違いがわかる。騙して売ることは当然違法行為だが、食べてしまっては自ら証拠隠滅したのと同じで後の祭りなのだ。