走るとわき腹が痛くなる理由

Vol. 561
 走るとわき腹が痛くなる理由

ふと思い立ってランニングを始めるような、普段は運動を日課としていない人ほど、走り始めるとわき腹が痛くなる傾向があるようで、これは運動不足と関係があるとされている。他にも食べてすぐに運動したとき、水を飲んだときにわき腹が痛くなるとされているが、単純で再発性もある現象ながらその原因はまだ解明されていない。

今のところ原因とされているのは、横隔膜による痛みと、脾臓(左わき)による痛みだ。右わきには肝臓があるが、肝臓はそもそも腫瘍があっても痛むことはないので、肝臓から直接痛みが来るというのはあり得ない。右わきの場合、走ることで臓器が揺れ横隔膜を刺激することで痛みが出るとされている。左わきの痛みの場合、ほぼ脾臓が原因ではないかとされるのが有力だ。

脾臓というのは血液を貯めておくことができる臓器で、急に運動を始めて筋肉が酸素消費をしだすと、酸素不足に対処するため脾臓が収縮して血液を送り出す。このときに痛みを生じるというのが脾臓説の論拠である。確かに食べてすぐに運動すると痛くなるとすれば、胃が運動している状況下で更に体が運動を始めるので酸素不足になってもおかしくない。