Vol. 641
医者の数、日本の医師不足は深刻なのだ
日本の医師不足は深刻で、ある程度人口が集まった市レベルの自治体ならそれほどでもないが、町や村といった自治体では非常に問題になっている。そもそもの予算枠が限られていることから、町営や村営の大きな病院を維持していくことや、高度な医療機器やそれを扱う医療スタッフを用意できないのは仕方がないとしても、医師が地方に行きたがらないのだ。
そもそも日本人の性格からして、町医者よりも大学病院の医師を信用したがり、どこの大学出身でどの病院に勤務していたかを気にする。経験職であり技術職でもある医師が、その経験よりも学歴や勤務歴が大切であるという良い例で、患者側がそうであれば当然医師もそうなっていき、医師はより高度な知識や経験と、経歴を積むための両面で、都市部の大きな病院に集まる。
ある調査によると、人口1,000人当たりのキューバの医師数は5.9人で、日本は2.2人ほど。単純に医師の数が少ないことで、厚生労働省は医師養成数の増加に向けて施策しているが、医師とは一朝一夕に養われるものではない。世界一の長寿国でありながら、医師の数が少ないという現状は、助かる命が助からないかもしれない可能性を秘めている。