アダムとイブが食べた禁断の実はリンゴ?

Vol. 649
 アダムとイブが食べた禁断の実はリンゴ?

アダムとイブ(エバ)がその実を食べたことで、エデンの園から追放されることになる禁断の実は、リンゴという表現がされて、日本でもそう思っている人はいるだろう。だが旧約聖書には、禁断の実がリンゴであるとは書かれていない。

他にも禁断の実とされる果実は多くあり、ブドウやイチジク、トマト、ザクロなど幅広く、旧約聖書上は「善悪の知識の木」の果実であって、種類を知る手がかりもないのである。話として語られる分には、禁断の実で通るのだが、絵画にする場合にこうした様々な実在の果実が使われている。

神が食べてはいけないと言っていた禁断の実を、蛇にそそのかされて食べてしまうイブはアダムにも勧める。無垢なはずの2人は果実を食べた途端に恥ずかしさを覚え、神の怒りに触れて追放されるというのが、旧約聖書の創世記だ。

この話が転じて、禁断の果実とは、決して手にしてはいけないと知りながら、禁じられているだけに尚更欲しくなる物の代名詞に使われるようになったのである。