ウナギの背中が黒い理由

Vol. 688
 ウナギの背中が黒い理由

ウナギは背中が黒く腹が白いのが通常で、この色になるのは、ある程度大きくなってからだ。あまり知られていないが、ウナギの幼魚はシラスウナギといって、シラスという名の通り透き通っている。

ウナギが淡水の魚だとはいえ、産卵は深海で行う。海で生まれたウナギは、生まれたばかりの幼生の頃、誰が見てもウナギだとはわからない形をしている。そこからシラスウナギに変わり(変態という)、ウナギの形になって成長して川を遡っていくのだ。

この過程において、徐々に体に色が付いてくる。一説では、海よりも太陽光線が届きやすい川において紫外線を遮断するため、もしくは他の魚がそうであるように、鳥などの外敵から発見されないために背中が黒くなっていくといわれている。産卵のときには婚姻色である銀色が腹側に見られ、この時期のウナギを銀ウナギと呼ぶ。