なぜ?食事のことを「ごはん」という理由

Vol. 695
 なぜ?食事のことを「ごはん」という理由

あえて考えたことはないかもしれないが、日常的に食事のことを「ごはん(御飯)」と呼ぶ。飯とは炊いたり蒸したりしたお米のことを意味するので、本来は飯のことを丁寧にごはんと呼んでいるだけである。

しかしながら、ごはんはおかずを含めた食事全体を表したり、食事をする行為を表したりと、ごはんという言葉の用法は変化してきた。例えば昼食に食べるものがパンであろうとパスタであろうと、やはり会話上は昼ごはんとして語られる。愛するペットに「ごはんですよ〜」といって与える餌には、大抵の場合お米が入っていない。

また、朝ごはん、昼ごはん、晩ごはん(夜ごはん)と使っても、あまり夕ごはんとは言わなくなった。これは、文明が進んで夜の生活時間が増えたことから、夕方の食事が必須でななく、実態として日没後の夜に食事をする習慣へシフトしたからであろう。

食事がごはんと呼ばれるのは、想像の通り、日本の食文化において主食がお米であることに間違いない。古くから主食として大切に食べられてきたお米は、食事と切っても切れない関係であったため、いつの間にか食事がごはんと呼ばれるようになったのだ。