以前はなかなか考えられなかった広告形態として、路線バスのボディを利用した広告は既にメジャーとなっている感がある。確かに車で走っていて、前にバスが止まっていると、リヤ側の広告を見てしまうように、広い車体を生かしたバスの広告は、その効果も確認されているからこそ利用されているのだ。
このバスの広告には誤解があって、塗装していると考えている人が多い。確かに自家用車であれば塗装で好きなデザインにすることはあっても、広告というのは期間契約なので、そのたびに塗装し直すのは効率が悪く、ラッピングといって要するにフィルムを貼り付けて実現している。ラッピングの価格は、大型バスの場合、施工費だけで80万円程度は掛かる。その他に、期間契約の広告料を支払うので、実は広告費としてはかなり高い。
肝心の広告料は、完全に路線に依存する。人の集まるところを通る路線ほど高くなり、例えば東京都営バスなら、1ヶ月40万円程度の路線がある。そうかと思えば10万円を切るような路線もあって、費用対効果を考えて掲載できるようになっているのである。