宮本武蔵の逸話〜宮本武蔵は風呂嫌い

Vol. 795
 宮本武蔵の逸話〜宮本武蔵は風呂嫌い

巌流島の戦いが有名な剣客宮本武蔵。以前から良く知られていたが、漫画「バガボンド」が大ヒットし、再認識されることになる。その剣の腕は比類なき存在と称され、評価は柳生新陰流の柳生宗矩(但馬守)を上回るともなれば、将軍家の剣術指南役を超えているのだから凄まじい。

バガボンドにも描かれているように、宮本武蔵は清潔感とは程遠い身なりをしている。沐浴(宗教的な意味を持つが入浴と考えて良い)を一生しなかったと渡辺幸庵が書き残しているように、相当臭かったようである。

晩年は、熊本の細川家に客分として迎えられ、五輪書を執筆する。元来風呂嫌いの武蔵が、霊巌洞という洞窟に引きこもって執筆活動をしていたのだから、さぞかし洞窟は臭ったであろう。武蔵は五輪書の他にも水墨画などを残しており、良く考えてみると一芸に秀でている人が他と違う風貌というのは珍しいことではなく、武蔵もそのタイプなのである。