そば屋の藪と更科と砂場の意味・違い

Vol. 799
 そば屋の藪と更科と砂場の意味・違い

熱烈なそば好きでなくても、仕事の合間のランチなどでそば食べることは珍しくないだろう。全国にたくさんのそば屋があるが、なかでも藪と更科というのは良く見る。そしてもう1つ砂場というのも見るはずだ。この3つは、いわゆるそば屋の屋号として使われており、全国的に(砂場は地域性もある)そば屋の名称として普及している。

藪と更科というのは、そばにするそば粉の製粉方法に違いがある。そばの実の実物を見たことがある人なら知っている通り、そばの実は黒っぽい殻に覆われている。粉を挽くときに殻を含めると黒っぽいそば粉ができあがり、それが藪そばで、藪そばは黒いつぶつぶが麺に入っているのが特徴だ。

一方で更科の場合には、殻の中にある実の内側の白いだけを使う。そばの実を臼で挽くと、軟らかい部分ほど先に細かくなり、粉になって外に出てくる。こうして取れた粉を一番粉といい、更科そばが白い理由である。その分、更科そばは原料として取れるそば粉が少ないため、割高になるのを否めない。