Vol. 809
石鹸はタンパク質でできている人間の体を溶かす?
手を石けんで洗うとスベスベするのは、単に汚れが落ちたことによる効果だけではない。石けんは油脂にアルカリ(苛性ソーダ、水酸化ナトリウム)を加えて作られ、石けんの持つアルカリ性には、タンパク質を溶かす作用があるためだ。
しかし、石けんがタンパク質を溶かすといっても、それが人体に著しい悪影響があるようでは、現在のように普及はしていないことでも想像できるように、ペーハー(pH)は弱アルカリ性に調整されている。強アルカリ性になると非常に危険で、直接手では触れないほどにタンパク質に作用し、強力な洗剤には強アルカリ性も多い。
従って石けんを日常的に使用したからといって、皮膚が溶け出すようなことは無く、石油から合成される合成洗剤に含まれる成分を嫌い、シャンプーや洗剤などの代わりとしても石けんは一定層に支持されている。家庭で発生した使い道のない廃油を使って、手作り石けんを製造するケースもあるくらいで、神経質になるほどではないのである。