Vol. 870
ラクダはコブに水ではなく脂肪を蓄えている
水の少ない砂漠で生存できる生物は少なく、大型の動物としては唯一まれな乾燥耐性を持っているのがラクダだ。ラクダはコブに脂肪を蓄えて、長期間補給をせずに生きていられるが、水においても大量に飲んで体内に蓄える(脂肪と違ってコブに蓄えるのではない)ことができる。
渇いていると100リットル近い水を飲むラクダは、その水分を血液中に存在させる。直射日光があたる背中には、脂肪しかないコブがあることで体温の上昇が防がれ、ラクダ自身も体温を上げて汗をかかないようにできる。更に尿として水分を失うことが致命的である点から、濃度の高い尿になっている。
それでも、砂漠の猛暑ではどのようにしても水分の蒸発を防ぎきれない。しかしラクダの場合、体内の3割から4割の水分を失っても生存できるという。