カミソリ負けとは何に負けるの?

Vol. 41
 カミソリ負けとは何に負けるの?

皮つきの大根に包丁を垂直に立て、そのまま包丁を横に滑らせると、ほんの少しでも大根の皮がむけるだろう。しかしごく僅かに表面が削れるだけで、大根の皮をむくには適していないので、普通はきちんと刃を入れてむく。魚のウロコを取る場合には、包丁を立てた状態で削るのが普通で、魚のウロコを大根の皮のように取る人はいない。

どちらの場合にも、包丁を立てて行うのは「削る」という行為である。カミソリで体毛を剃る行為は、正に肌を削っているのと変わりないので、肌の表面は大根の皮のように薄く削り取られているということだ。

カミソリ負けというのは、この削られた肌が十分に修復されずに、ヒリヒリしたり雑菌が入り込んで炎症を起こしたりすることの総称で、特に男性の髭の場合には、毎日剃る場所だけにカミソリ負けは人によって深刻である。

肌が弱い人は、十分にスキンケアをすることや、蒸しタオルで髭を柔らかくしておく、潤滑剤となる石鹸やシェービングフォームを馴染ませてから剃るなどの対処法があり、最も大切なのは良く切れるカミソリを使うことである。切れ味が悪いとどうしても髭を剃るのに力が必要になって、それだけ肌を多く削ってしまう。