イスラムでは、一夫多妻制が認められている（禁止している国もある）。コーランでは４人までの妻を認め、理由があればそれ以上も可能になっている。一夫多妻制が認められている背景には、戦争が関わっているという説が有力だ。
戦争が相次いだ時期においては、男女の人口比率がバランスを失い、女性が夫を失ったり、婚姻できない女性が増えるということが起こる。そこで、一夫多妻制を用いることで経済的な扶助を失った女性に対しての救済を可能にするという考え方である。
しかし、一夫多妻制の裏には、それを支える経済力が必要という側面が欠かせない。イスラムでの一夫多妻制は、妻に格差を設けることを容認しておらず、妻を多く娶っても、扶助が行えないのであれば崩壊してしまうからだ。その点は、正室や正妻といった考え方とは全く異なっている。
