ゴルフや軟式のボールにあるブツブツは何の意味がある?

Vol. 43
 ゴルフや軟式のボールにあるブツブツは何の意味がある?

結論から先に言おう。ゴルフボールや軟式野球のボールにブツブツがあるのは、ボールを遠くに飛ばすために考えられた仕組みである。

ボールの表面にあるブツブツは、ディンプルといって円形に少しくぼんでいるはずだ。空気に放たれたボールは空気の壁にぶつかっていくときに抵抗を生じる。具体的には進行方向の空気がボールで押しのけられるように流れが変わり、ボールに沿って進んだ空気はボールの後ろ側に回り込んで、やがてボールから離れていく。

このとき、十分にボールの速度があると、空気がボールに沿って後ろ側に回り込むよりもボールが速く進んでしまうので、ボールの表面を流れている空気は、剥がれてそのまま置き去りになってしまう。文字通り、空気を切り裂くようにボールが進むわけだ。

この状態になると、ボールの真後ろには空気が少なくなるため、気圧が下がる現象が起き、ボールの前面(進行方向)と大きな気圧差が生じる。空気は気圧の高いほうから低いほうへ動くため、気圧の低いボールの後ろ側に引っ張る力、すなわち進行方向と逆向きの力が大きくなって、ボールは失速する。

この現象を防ぐために考え出されたのがディンプルだ。ディンプルがあると、ボールの表面で乱気流が発生してボールから空気が剥がれにくくなり、速く飛んでも失速が小さい=遠くへ飛ぶという仕組みである。