100℃の熱湯では火傷するのにサウナでは大丈夫な理由

Vol. 47
 100℃の熱湯では火傷するのにサウナでは大丈夫な理由

サウナ好きは多く、大きな銭湯や健康ランドのような公衆浴場では、サウナの有無を基準に選ぶ人がいるほどで、ダイエット目的でサウナに通う人も少なからず存在する。ムンムンとした熱気の中で汗をかく事と、サウナの暑さという苦痛から解放されたときの感覚は、癖になる人が多いのは確かである。

ところで、サウナは体温に比べて圧倒的に温度が高い。場合によっては100℃に近いサウナも存在するが、沸騰したお湯を浴びると致命的なダメージでも、100℃の室温には耐えられるのだ。

これにはいくつかの理由があり、1つは汗と気化熱による。汗によって熱い空気に晒されず、蒸発もするので気化熱を奪い肌の温度を低下させる作用として働く。

もう1つは水と空気の熱の伝わりやすさ(熱伝導率)に大きな違いがある点だ。水は空気よりもはるかに熱を伝えやすいので、お湯に触れると直ぐに熱が移動し熱く感じる。同じ温度の空気の場合、空気から肌へ熱が移動しにくいので、肌が熱く感じることは無いのである。

また、空気が熱を伝えにくいことで、体の表面付近の体温に近い空気が、断熱材のように熱い空気を遮断している効果も忘れてはならない。ドライヤーのような熱風を至近距離で直接浴びると、空気の断熱材は吹き飛んで無くなり簡単にやけどをするのである。