Vol. 57
多すぎる?クジラの腎臓の数は3000個
人間に腎臓が2つあることは知られており、不幸にも身内が腎臓の疾患を患うと、親など拒絶反応が起こりにくい人がドナーとして腎臓を1つ与えることがある。継続的に透析療法を続けるのは非常に患者に負担があり、誰もが健康的な生活を送りたいと考えるため、腎臓のドナーを待ち望む患者は溢れている。
腎臓の大きな役割の1つに、尿を生成し余分な塩分を排出する機能がある。この機能の性能は動物により異なり、哺乳類全般で他の種別よりも高い性能を持つが、人間はネコやイヌのような他の哺乳類に比べると低い。海洋哺乳類であるクジラにおいてもそれほど高くはないが、クジラの腎臓は房状に細かく分かれている葉状腎という形状で、一説では3,000個もあるという。
人間は、海水のように塩分濃度の濃い水を飲むと、海水として得られる以上の水分を体内から使わなければ全ての塩分を排出できない。それでも真水を飲めば復活する。真水を飲めないクジラの場合は、腎臓の機能により海水を飲んでしまっても、海水の水分を残しながら塩分だけ排出できるのである。