Vol. 88
郵政(郵便)はがきに横書き用がない理由
郵便事業が公社化・民営化される流れにおいて、官製ハガキは郵政ハガキとして名を変えているので、官製ハガキという言葉は、もはや時代遅れなのかもしれない。郵政ハガキの反対語を私製ハガキといって、決定的な違いは、郵政ハガキは切手に変わる印刷が施してあり、ハガキの値段が切手代になっていることである。
ハガキというのは、内国郵便約款という決めごとで、実は細かく郵便番号枠の位置などが決められている。横書きが全盛のこの時代にあっても官製ハガキは依然として縦書きのみで、横書きをしたい人には不便極まりない。
しかし、郵便番号枠や切手の貼り付け位置というのは、前述の内国郵便約款によって決められているので、効率化を図るために機械によって読み取られている。実際に使う方向が縦でも横でも、郵便番号枠の位置が変わらないので、読み取りの際には不便がない。
これが、横書き用の官製ハガキが存在するとどうなるだろう。縦書き用のハガキと横書き用のハガキで郵便番号枠の位置が異なると、混在したハガキでは必然的に仕分け作業が入る。それだけでも無駄な作業だが、横書き用の官製ハガキを読み取る機械も必要で、少なくとも郵便事業を行う側にとってメリットは全くないのである。