沖ノ鳥島の排他的経済水域、日本の国土面積より広い

Vol. 90
 沖ノ鳥島の排他的経済水域、日本の国土面積より広い

日本の最南端に位置する沖ノ鳥島という小さなサンゴ礁の島がある。満潮時には2つの小島を残して水没してしまうくらいその存続は危うく、波の浸食や地球温暖化によって水没となれば大変な事態になる。そこで莫大な費用を投じて護岸をして守っていたが、島として認めないという他国の主張もあったため、港湾設備を建設する計画が持ち上がった。

これほど沖ノ鳥島を守りたいのは、日本の最南端であるからで、沖ノ鳥島があるがゆえに日本の排他的経済水域は拡大する。排他的経済水域はEEZとも呼ばれ、領土から200海里(約370km)の範囲を経済的な主権があるとする国際的な約束事である。

近隣の国とは当然に排他的経済水域が衝突して交渉になるが、東京から南に1,700kmの沖ノ鳥島の周りには、他の国がないため排他的経済水域を十分に確保できる。その広さは約40万平方キロで、国土の約38万平方キロよりも広い。漁場としてだけではなく、資源についても期待がもたれており、人は住んでいないといっても、持っているのと失うのとではその差は大きすぎるのである。