Vol. 97
なぜ?スフィンクスの体がライオンの理由
エジプトにあるスフィンクスの像は、胴体の部分が1つの岩を削り出して作られたということを知っているだろうか。長さは70mを超える巨大な彫刻であるだけに、当時の工夫の数は相当なものであったと考えられ、数千年も前にそれだけの像を作らせるエジプトの王とは絶対的な権力者であったことが伺える。
スフィンクスは、いわずとしれた胴体がライオンで、頭が人間(ファラオ)でできている。一見すると意味がわからないが、ライオンという動物が動物界の王であり、人間界の王と組み合わせて権威を表したと考えれば納得ができる。
ライオンは、古代において広く分布しており、インドからアフリカの多くの地域に生息していた。エジプトだけではなく古代文明の発生した地域では、ライオンを祀られる風習は良く見られる。
エジプトだけではなく、各国の神話において動物と融合した体を持つ神は多い。それは何かしらの信仰的な意味を持っており、スフィンクスの場合にはその強さから神格化されたライオンへの信仰が起因となっているのは間違いないだろう。