Vol. 98
何故猫はねこじゃらしを夢中に追いかけるのだろう
ネコを飼っている人なら、ネコが動くものに素早く反応する習性を知っている。生き物ではない、ボールや布切れですら、自分で動かしてさらにそれに飛びかかって、また動いて飛びかかってと、そばで見ていると何をやっているのかと思ってしまうくらいだ。
先に軟らかい穂のようなものが付いた、ねこじゃらしという道具をネコの前で揺らすと、前足で捕まえようと夢中になって遊ぶ。いや、遊んでいるように見えるのは人間だけで、いつだってネコは至って真剣にねこじゃらしを追いかける。先端が穂のようになっているかどうかはあまり関係なく、とにかくネコは動くものを無視できないでいるのだ。
ネズミや小鳥など、小動物を捕まえるときのネコは実に素早い。ねこじゃらしの先は、いかにも小動物のようにネコに映り、ネコの狩猟本能にスイッチを入れてしまう。ネコだって眠いときや、動きたくないときだってあるだろう。しかし、ねこじゃらしを目の前で揺らされると、どうしても本能のままに追いかけてしまうのである。