胸やけの原因は胃酸の逆流による食道の炎症

Vol. 99
 胸やけの原因は胃酸の逆流による食道の炎症

食べ過ぎ・飲み過ぎなど、年末年始や歓送迎会でお酒を飲む機会が増えると起こるのが、胸やけによる体調不良で、胸やけの原因の1つは胃酸が逆流することによる食道の炎症が挙げられる。逆流性食道炎という名称があるくらいで、甘く考えていると大事になりかねない症状だ。

人間の体は、食べ物が食道から胃に下りていく都合上、胃酸が食道に向かうようにはなっていない。塩酸という強烈な酸を含む胃酸は、他の場所では組織を破壊してしまうので危険があり、食道と胃の繋がりで横隔膜にある穴(食道裂孔)は狭くなって、通常時には障害が起こらないようになっている。

しかし、この食道裂孔に対し胃の一部が上に飛び出している状態を食道裂孔ヘルニアと呼び、必然的に逆流性食道炎を、結果として胸やけを引き起こしやすい。日本人では10%程度が体質として持っていると言われているが、統計的な数字に基づくものではないので、実際はもっと多いかもしれない。

なぜなら、食道裂孔ヘルニアは原因が不明で後天性もあることと、消化器科などの受診で発見されなければ確かめようがなく、健常に生活している人でも該当する可能性はあるからである。