揚げ物料理をすると油酔いで食欲が減少する

Vol. 104
 揚げ物料理をすると油酔いで食欲が減少する

てんぷらでもフライでも、油で揚げる料理をしていると、揚げているうちに気分が悪くなってくる現象があって、これを一般的には油酔いという。

いつも食べる側にいると気付かないが、油酔いは気分が悪く、せっかく揚げたてんぷらやフライを全く食べたくなくなる嫌な症状だ。また、ファーストフード店やドーナツ店、惣菜店など、油を多く使う現場においても、この問題は深刻で仕事をすると気分が悪くなるのだから始末が悪い。

この油酔いの原因となるのが、油が加熱したときに生成されるアクロレインという物質で、アクロレインの生成が抑えられると油酔いも少なくなる。最近の研究により、アクロレインはリノレン酸が少ないと発生率も少ないことがわかっている。

リノレン酸が多いのは、大豆油、菜種油といった、日常的に良く使われる油が多く、特に菜種油は非常に多く使われているので、油酔いの可能性も高い。リノレン酸が少ない油の代表としてはコメ油やコーン油などがある。だからといってそれらの油が油酔いを起こさないかというと、そうではないので過度の期待は禁物である。