アナログ放送とデジタル放送の画質の違い

Vol. 119
 アナログ放送とデジタル放送の画質の違い

アナログ放送が終了してしばらく経つが、デジタル放送の画質の良さを考えると、もうアナログ放送に戻りたいと考える人は少ないはずだ。そのくらい画質に差があって、アナログ放送のSD画質といわれる画質は640×480ドット、デジタル放送のHD画質なら1440×1080ドットと5倍の差がある。フルHDともなれば1920×1080ドットで6.75倍にもなる。

原理的にはアナログ波形は無限の色調を表せるので、デジタル放送よりも表現力は高い。しかし、アナログ放送の電波はどうしてもノイズに弱く劣化しやすいことや、電波を送るスピードに限界があること、ブラウン管テレビのフォーカスの甘さなど、元のアナログ波形をそのまま映像として厳密に再現することができないに等しい。

では、なぜデジタル放送が綺麗になるかというと、デジタル放送はそもそも送るデータが1と0しかないからである。人の感覚でたとえるなら白か黒ということで、白が少しくらいグレーに近づいても白だとわかるので白とみなせばよいし、黒も同じく少しくらい違ったところで黒とみなせる。それは即ち信号へのノイズへの強さを表し、デジタル放送は送られてきたデータを、ほとんどそのままテレビ側で表現可能である。